旧諸戸邸の塔屋の中は、客待ち的な小さな応接室になっていたそうな。
丸い感じの小部屋が心地良い。
丸い塔屋にあるガラスは当時の日本では
製造する技術がなかったそうで、
外国から輸入されたものだったそうだ。
建築当初、この塔屋は3階建ての
設計だったそうなのだが、
すぐ前を流れる揖斐川を眺められるように
4階建てに変更されたそうだ。
塔屋内部→
(1階)
1階、2階ともに、当時の調度品は
ほとんど残っておらず、今、置いて
あるのは、公開に当たって
ヨーロッパのアンティ-クの
家具類だそうだ。
だが、この建物とそれらに
ほとんど違和感はない。
そのくらい美しいのだ。
窓の向こうに見えるベランダには
設計者のコンドル氏が好んだとされるタイルが敷かれている。
そのタイルは、1階のステンドグラスのある車寄せのある玄関と、
1階、2階にあるトイレにも使われている。
トイレも自然光が横から入るように、明り採りが廊下についている。
この壁の奥がトイレなのだが、
トイレに上でなく、壁をい隔てた天井の上に
明り採りが作られているのが、良い。
実際のトイレの内部には、間接自然光照明で
壁にある小窓から自然光が斜めに差込む。
→
このトイレは1階だが、2階にも
同じようなトイレがあり、驚くことに建築当初の
大正時代から、すでに水洗トイレだったそうだ。
床のタイルは当時のもので、ベランダや
車寄せ玄関にも使われているものだ。
2階はプライベートな居住空間だったそうで、洋館のお約束でもある
サンルームもあった。
書斎からサンルームへと
繋がっているのだが、
明るい光が降り注ぎ、
窓を開ければ、涼風が吹き
涼を感じることもできる。
照明の傘も当時のものだそうだ。
ミルク色の優しい感じと、フリルのような裾
がかわいらしい。
そして、気になったのはドアノブと
鍵穴カバーだ。
コンドル氏と言えば、日本画にも
造詣が深い。
その影響なのだろうか?木目のノブに鍵穴カバー。
扉の色に合わせて、地味なようで渋さが光っているような気がする。
この辺り、ヴォリーズ氏の水晶のドアノブとの違い(年代も違うのだが)が
よくわかるような気がする。
日本画の河鍋氏に師事したコンドル氏ならではのような気がしなくもない・・・
写真がかなり増えてしまったので、続きは次回に回したい。