自宅から北へ少し行ったところのある集落で見つけた。
周辺には、龍や立ち菊の鏝絵のあるお宅が建っている。
炎を制する龍と水紋。
よく見ると、漆喰の色が違って
いるので、この鏝絵の部分を
残して、新しく漆喰を塗り直した
ように思える。
そして、この蔵の奥に家屋が
あり、そこにも鏝絵があった。
緑で○印をつけた部分なのだが
個人的に、この鏝絵に感動した。
見た目はかなり地味なのだが、
洋風の模様になっている。
実は、一般の日本家屋でのこのような
鏝絵は非常に珍しいと思う。
よく見ると、上の方にも細工が施してあって
アカンサスの柱頭をそのまま鏝絵にしている。
地味に見えるが、実はものすごく凝っている。
東京などに多く見られる看板建築などによくモルタルで施されているのだが、
これはどうなのだろう??
このブログでは拡大できないが、
PCに取り込んだ画像を拡大して
目を凝らして見る限りでは、
色漆喰をドイツ壁風に仕上げ、
モルタル風の色漆喰で鏝絵を
描いたように見える。
柱頭風の部分も同じだ。
アカンサスの葉を強調するように
モルタル色の漆喰が柱頭の土台に盛り付けてある。
昭和初期頃の鏝絵ではないだろうか?
大正時代にも、すでにこのような鏝絵はあったのだがこの地方であの時代に
アカンサス柱頭の鏝絵を作る職人さんがいても、注文する施主がいただろうか?
昭和になってからのような気がしてならない・・・
ある意味、このタイプの鏝絵は日本全国でも非常に珍しいのではないだろうか?
看板建築ならまだしも、普通の日本家屋の軒桁にアカンサスがあるものは
聞いたこともないので、かなり貴重な鏝絵なのではないだろうか?
ただ、鏝絵というと龍などの凝った鏝絵の方ばかりが重視されるのだが、
時代を反映したこのような鏝絵も記録として残すべきだと思う。
このタイプの鏝絵は、今まで見たことがなかった。
どうして、こんな所にこんなすごい鏝絵のあるお宅が何軒もあるのだろう?
商売をやっている街でもなく、むしろ農村というか集落なのだが・・・・
よほど、裕福な農村なのだろうか??
渓谷近くの普通の田舎にしか見えないのだが・・・
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