


自分で指定できる。
「緋襷焼成」(ひだすきしょうせい)という、
ガス窯で焼くのだが、藁で巻いて焼くので
巻いた箇所が赤くなるので「緋襷」。
「桟切焼成」(さんぎりしょうせい)は、
昔ながらの登り窯で焼くので、
燃料の赤松が燃えて灰になり、その灰が
ふりかかるためにそれぞれに色などがすべてバラバラにできるのだそうな。
土ひねりは同じなのだが、「焼成」によって値段が違ってくる。
当然、緋襷焼成の方が安い。
一番最初の写真の奥に写っている粘土を丸めたような状態のものが置かれており、
講師の方の説明を聞きながら、土ひねりにとりかかる。
なんでも、備前焼きの場合は「2分以上、土をこねくりまわさないこと」だそうだ。
先生のお話によると備前の土はものすごく良いので2分以上いじくってしまうと
土がダメになってしまうそうな。(空気が入るのがダメらしい・・・)
こねくりまわしてはいけないものらしい。
あの魯山人も備前を訪れた際にはすぐに作れる俎皿しか作っていないそうだ。
とにかく、備前焼は触らないのが吉とのことだ。
冗談で1分ほどで「でき~~た!」と言うと、先生は目をキラキラさせながら
「そうなんです!それで良いんです!良い状態のままの土で大変結構です!」と
半ば興奮気味におっしゃる。
こんなんで良いのか??と、問うと、
先生は「焼きあがらないとわからないというのも素敵じゃないですか!」とのこと。
土ひねりを済ませると焼く前に乾燥させるので裏に名前を入れて預け、
ある程度の数が集まったらまとめて焼き、後日、宅配便などで送付してもらう。
緋襷焼成で出来上がったのが下の写真の作品。(アタシが作った物ではない)


藁を巻いた部分が模様となっている。
上の写真にあるチェックのエプロンをつけたメンバーの作品は
桟切焼成で焼きあがったのだが、なんとも言えぬ色合いだ。

登り窯で焼いた物だ。
現在は登り窯は煙の問題などで
山の方に移転しているそうだが
かつてはこの場所で
登り窯で焼いていたそうな。
(写真左下)
その横にガス窯もあった。
(写真右下の金属の箱のようなものが窯)


白いドームに見えるのが登り窯。 これは展示用に残された物。
説明書きには1回の窯焚きに使う割り木の数は約1万本だそうな。
伊部の駅の周辺の田んぼの下を3mほど、冬場にだけ土を採る。
これが備前焼の土になるそうで、同じ備前だからと伊部以外の場所で採土すると
もう畑に使う土しか採れないそうだ。
同じ備前の「三石」では耐火煉瓦がよく作られているし、
またすぐ近くの「吉永」では「ろう石」が採石されているので、
そのような環境が回りにあるというのも良土のポイントなのだろう。
ただ、先生曰くは一般にはまず出回らないが信楽の限られた土は
もっと良いのがあるのだそうな。
この先生、とにかく備前焼きが大好きで大好きでたまらないというお方で
大きな目をキラキラと輝かせながら当初の予定時間を大幅にオーバーしながら
いろいろと備前焼について熱く語ってくださった。

メンバーの1人が質問した。
何故、海苔のダンボール箱しかないのか?
先生がおっしゃるには、
焼きあがった作品を入れておくのに
ダンボールの厚みなどがちょうど良く
そのためにわざわざ、業者に頼んで
海苔のダンボールを確保しているそうな。
そして、備前焼き体験を終えてから伊部の街並みを駅に向かって散策。
途中、天津神社の前を通り伊部駅へと向かう。
天津神社は実はアタシの大好きな神社でよく見るといろいろと楽しい言葉や
元気がわいてくる言葉などが書かれた紙があちこちに置いてあり、
狛犬から瓦、敷石に至るまで備前焼き。
塀の上に乗っている十二支の動物たちも備前焼。
このサークルの時は鳥居付近しか見ていないのだが、
この神社は来るたびに明るい気持ちになれる場所なので個人的に
何回か訪れており、写真もあるので別の書庫で詳しくアップすることにしたい。


駅近くの公園には地元の子供たちが作った
備前焼の陶板が埋め込まれていた。

蛙の顔を描いてみたり、
中には「女の出世」がどうのだとか
じっくり見ていると面白い。
みんなバラバラ、上手下手など
関係なく自由にやっているのが
とても良い。
公園の近くには登り窯のある建物が残っている。
横から見るとこんな風になる。
(写真右下)

駅に向かう道沿いには備前焼のお店も
たくさんあり、街のあちらこちらに
備前焼きの土管を使った門柱だとか
陶板の表札だとかを見かけることができる。
漆喰で作る「なまこ壁」までも
備前焼きなまこ壁にアレンジしていた。

備前焼の土ひねりをする時は、
いきなり作りだすよりもあらかじめ
自分でどうのような物を作りたいのか
イメージを固めてきた方が良いとのことだ。
とにかく、こねくりまわして土に空気を
入れたら土が死んでしまうそうなので
初心者は「俎皿」などが無難だそうだが、先にそれを言って欲しかった・・・
アタシが作った物は皿にもならず、灰皿にもならず・・・
捨てるわけにも行かず、結局、玄関の下駄箱の上に放置されたままだ。
だが、冷たく水分の少ない感じの粘土のような土をひねるのは楽しかったので
今度挑戦するときは、俎皿を作ってみることにしよう。
そして伊部駅でそれぞれにお土産を購入し帰路についた。
アタシが買ったのはもちろん、フルーツ王国岡山ならではのフルーツカレー。

個人的には柿のカレーの方が好きだ。
ピオーネのカレーはピオーネの皮が
少し気になるかも・・・
カレーにチョコレートなどを加えて
コクや辛み、旨みを引き出すのと同じで
フルーツの甘みをうまく利用している。
実はこの商品、結構昔からある。
少し値段は張るが食べていても違和感なく、おいしいのでお勧めだ。
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