津山にあった煙草屋さん。
とっくに廃業されたようだ。
一時期、個人商店の陳列窓によく使われたミント色が美しい。
かなり昔このブログでも書いたのだが、
宗教的な意味合いで一部の外国でこの色が木造建物の
外壁に塗られることが多かった。
それの模倣で明治以降の近代木造建築でも同色が
塗布されることがあり、元々の意味合いから外れてはいるが
個人商店もそれに倣ったのではないかと思っている。
陳列棚の一番下には昭和50年度の店舗陳列棚コンクールで
優勝した時の盾が飾ってあった。
何故かCIGARETTESではなく、SIGARETTESに
なっているのだが、ローマ字で間違えたのだろう。
陳列棚の造り、文字の描き方などから察して
恐らく出窓になっている陳列棚の「たばこ」のガラスは
後年、交換されたものではないだろうか?
昭和42年(1967年)くらいのような気がする。
そして、SIGARETTESとTOBACCOの部分は
金色の塗料で描かれており、TOBACCOの背景色の
赤色の劣化具合た建具から推測すると、この部分だけは
戦後の昭和29年(1954年)くらいだと思う。
SIGARETTESの下の硝子部分は
膠硝子ではなく昭和30年代前半に流行ったタイプの物だ。
そして昭和42年以降になると専売公社の煙草屋さんの
摺り硝子には売り出したい煙草の絵柄を直接描くことはなくなり、
代わりにポスター展示で看板などの宣伝手法となっていく。
そのため、出窓部分のみ後年に硝子交換をしているのでは
ないかと思うのだ。
あと20年もしないうちに煙草は、否、世の中の
喫煙者は絶滅危惧種となってしまうような気がする。